ぼくは朝からの晴天におもいたって、都立狭山自然公園までサイクリングに行くことにした。
ぼくはこれまでに狭山自然公園に行ったことがなく、知識といえば村山・多摩貯水池(あとで調べたら多摩湖だった)に隣接した公園で、東村山辺りにあるということと、地図をなんとなくながめていて見つけた
“サイクリング道路があるんだなあ“
ぐらいの知識しか持ちあわせがない。ぼくは自転車を軽く整備すると地図もそこそこに戸締りをした。
”新青梅をのぼっていけば、道路標示が出てるだろう“
と考えて炭酸をぬいたコーラをボトルに入れて出発、時刻はちょうど“1時00分”である。
身支度も万端にいざ新青梅街道へ、片道およそ16kmの新青梅の道のりは、普段ならなんでもないはずだが、いつもと少し様子が違っていた。少し強めの向かい風と好天に恵まれたサンデードライバーであふれていた。
自転車だからといって、簡単には前には進めない程に車道は渋滞の車があふれていた。
渋滞くらいなら「脇をすり抜ければ進めるだろう」との考えのお方もいるだろう。
”でもそうじゃない。”
なぜかと言えば、ぼくもそうだが、渋滞にはまってしまって動くことがかなわない車の横(路側帯)をバイクなどに抜かれるのは我慢がならない、そこで路側帯に車を寄せてバイクの通路をふさいでしまうのである。
ご多分に漏れず路側帯をふさがれしかたなく止まること数えきれず。
とはいえ、おおよそ順調、“1時40分”府中街道にさしかかった。
地図で見た限りではだいたいこのあたりで曲がるはずと見当をつけて府中街道を下ることにする。迷ったら誰かに聞けば済むことだ。府中街道は道幅はせまいく舗装も悪いがクラクションなどならされることもなく、
“都内だとすでに何度も鳴らされているはず“
走ること数キロ、左手にチラチラと小高い丘のようなものが見え隠れする。
“あれが貯水池か狭山公園に違いない”
とこれまた当たりをつけて適当なところで左に曲がる。
しかし道は住宅地へと伸びて行き止まってしまう。ぼくの目の前には、緑生い茂った丘陵地帯が見えていた。
つづく
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